2022.01.03 開業支援
飲食店を独立開業するために学んでおいた方がよい「儲けの管理」
独立開業して自分のお店を持つようになると、いままで会社やオーナーがやっていた運営にまつわる様々なことを自分でやらなければならなくなります。 その代表的なものがお金・儲けの管理です。 今回は独立開業に向けて、どのようにお金・儲けの管理を勉強すればよいか、というお話です。飲食店でサラリーマンとして働いている方でも、売上や食材の原価率は把握している、という方は多いのではないでしょうか。 一方で、お店全体の利益が最終的にどのくらい出ているか、ということまで把握している方は多くはないと思います。 お店の運営で重要なのは、食材原価だけではなく、給料や家賃や水道光熱費まで含めたお店全体の経費がいくらかかって、いくらの利益が出ているのか、ということです。 修行している期間でも、このお店全体の利益を考えることができれば、独立開業に向けて大きなアドバンテージとなります。お店全体の経費は上司やオーナーに聞いてみるのがよいでしょう。 給料以外の経費は大体の金額を教えてもらえることが多いです。 給料以外の大きな経費としては ・家賃 ・水道光熱費 ・店舗消耗品 などでしょうか。 単価の高いお店はクレジットカード手数料もそれなりの金額がかかります。 給料は教えてもらえないと思いますので、自分の給料から想定してみましょう。 上司がいれば自分より2割高く、部下がいれば自分の2割低く、くらいの金額で想定しておけば問題ないでしょう。 例えば、月間の収支として ・売上が400万円、原価率が35%、粗利が260万円 ・家賃が35万円、水道光熱費が5万円、店舗消耗品が5万円、クレジット手数料が400万円×40%(クレジット使用割合を仮定)×5%で8万円、合計で53万円 ・給料が自分が33万円、上司が33万円×1.2で39万円、部下が33万円×0.8で26万円、アルバイトが8万円×4名で32万円、合計で130万円 ・粗利の260万円ー店舗経費53万円ー給料130万円=77万円の利益 他にも経費としてかかるものはあると思いますが、このような感じでザックリとした利益が計算できます。 まずはここまで計算できることを目指しましょう。このようにお店全体の利益を把握しておくことでメリットが多くあります。 ①自分がお店を経営するときの収支計画が作りやすい ②家賃を始めとした経費が高いか低いかの指標ができ、他店との比較がしやすい(物件探しにも役立つ) ③自分がお店で働いていて感じる忙しさと利益を突合することで、利益を体感できる このように自分のお店を開業しようとするときに役に立つことばかりです。 儲けの管理は、お店を開業してからでもやれないことはないですが、感覚として身に着くまで時間がかかってしまいます。 開業してから忙しいけれどお金は手元に残っていない、という状況にならないように、儲けを管理する感覚は早めに養いましょう。