2019.10.07 よもやま話
利益を確保するためにできることは?消費税増税と飲食店の対応策
2019年10月1日より消費税が改定され、店内飲食の売上には10%、テイクアウトの売上には8%の消費税となりました。
今回は消費税増税を踏まえた飲食店の対応策についてのお話です。
最大の敵は心理的な負担?
過去2回の消費税の増税時のことを振り返ると、増税直後は消費が低迷しています。
例えば、5%→8%への増税時に、5,000円の食事をした時の消費税は、
5% → 250円
8% → 400円
と差額は150円です。
150円単体で見ると大したことはないように感じますが、いままでと全く同じ行為に対して、単純に150円多く支払わなければならないのです。
ここに心理的負担を増加させる要因があります。
今までより多くのお金を支払わなければならない
→多く支払うことが他のお店でも必要になる
→となると節約しなければならない
という思考の流れになり、財布のひもはどうしても固くなります。
おそらくこれは、ポイント還元やプレミアム商品券を配布しても解消されるものではないでしょう。
「10%の消費税がかかる」という事実そのものが、どうしても購買心理を悪化させるのです。
ではお店はどうすればよいのか?
一番やってはいけないのが、メニューや料理の内容を何も変えないままお店側が増税分を負担することです。
食品の仕入は軽減税率の8%なので、売るメニューも8%のままで損はないのではないか、と思うかもしれませんが、そうはいきません。
お店の売上には10%の消費税が課されるので、税抜価格を2%分値引きすることになってしまいます。
他によくあるのが、メニューや料理のポーションを見直すことで、税込価格を上げないようにする方法です。
仕入原価を下げることでメニューの価格そのものを下げてしまう方法です。
これも一つの対策ではあるのですが、仕入原価以外の備品や光熱費、家賃などの増税分も考慮して原価率を調整しなければならないため、この方法だけではなかなか難しいのが現実です。
やれることはやる。あとはジッと耐えること
消費が冷え込むことが予想されるため、売上を確保するための新しいメニューやおススメを今までより充実させ、お得感や魅力を演出することは必要です。
また、10~11月の売上増加を目がけた短期的な広告宣伝もアリかと思います。
「消費税還元セール」
「消費税はいただきません」
などの消費税と直接関連させる文言での宣伝は禁止されていますが、
上記以外の
「〇%サービス」
「秋の応援セール」(飲食店にはそぐわないかもしれませんが・・・)
などの消費税との関連がはっきりしない文言は問題ありません。
あとは、過去2回の増税時もそうでしたが、10%の消費税が世間に受け入れられるまで、ジッと我慢することです。
ジッと耐えながら、余計な経費は使わず節約を心掛け、料理・サービスを充実させることに力を入れる。
というのもひとつの対応策と言えるのではないでしょうか。