2018.04.05 よもやま話
プロが好む料理と一般受けする料理にはギャップがあることが多い
飲食店のメニューを決めるときのお話です。
グランドメニュー(定番となる基本メニュー)を決める際、どのような料理のラインナップにするかは悩むところですが、その注意点についての個人的な感想です。
プロは見たことがないマニアックな料理を好む
飲食店で働いて、料理の勉強を追求していくと、知識や技術が蓄積されていきます。
知識や技術が蓄積されてくると、楽しさを覚え、さらに多くの幅広い知識と技術を身に着けたくなります。
修行中、独立後にかかわらず、新しいものを取り入れていく勉強は必ず必要なため、探求心の多さは強みになります。
そういった探求心が強い方は、他店へ料理を食べに行っても、自分が知らないものを注文したり、自分が知らない料理を扱っているお店へ食べに行く傾向があります。
一般顧客は味を想像できる定番料理を好む
では、飲食店を訪れる一般顧客はどのような料理を好むでしょうか。
これはズバリ「定番料理」です。
広く世の中に知れ渡った料理、食材が好まれます。
ビザであればマルゲリータ、中華料理であれば餃子やエビチリ、居酒屋であれば唐揚げのような料理です。
ここにプロと一般顧客の間に大きなギャップがあります。
つまり、料理の勉強をしたは、
「せっかく本格的な勉強をしてきたのだから、本格的なお店で凝った料理を作ろう!」
という考えを持ちます。
一方で、一般顧客は
メニューを見て直感的に「美味しそう!」と思う料理、つまり自分の知っている料理、食材を使った料理を好みます。
このギャップを知らずにメニューを決める料理人の方が非常に多く見られます。
大事なのはわかりやすく、伝わりやすい料理を作ること
この考え方の差を埋めようとせず、難しい料理名と知られていない食材を多様したメニューを多く作ってしまうと、自分の力を入れるメニューと実際に売れるメニューがズレて、支持されないお店になることが多くあります。
「なぜ自分のこだわりの料理よりも、誰でも作れるメニューが選ばれるのだろうか?」
と思う方は、上記のギャップを把握されていない方だと思います。
逆にそこを把握してメニューを作っているお店は、伝え方が非常に上手です。
こだわった料理でありながらも、わかりやすいメニュー名と食材、ほどよいアピールがあり、直感的に「食べたい!」と思わせるメニューになっています。
他店へ勉強に行くときには、料理そのものの勉強も必要ですが、メニュー名や食材の使い方・組み合わせ、アピールの仕方なども勉強すると、よりよいメニューができあがると思います。