2018.01.08 開業支援
飲食業は儲からないのか?についての簡単な考察
「飲食業は儲からない」 「飲食業は手間ばかりかかる」 「飲食業はやらない方がいい」 という声をよく耳にします。 では飲食業は本当に儲からないのでしょうか?2017年版中小企業白書によると、「宿泊業・飲食サービス業」の開業率(9.7%)・廃業率(6.4%)は、全業種平均の開業率(5.2%)・廃業率(3.8%)よりも高く、全業種の中でもっとも高い数値となっています。 冒頭に書いた飲食業に対する否定的な意見を裏付けるデータです。 この傾向は以前より変わらずで、開業率が高い背景には ・独立志向の高い業種 ・独立開業のやり方がわかりやすい、イメージしやすい ・すでにあるノウハウを流用しやすい などの理由が考えられると思います。 一方で廃業率が高い背景には、 ・開業している人が多い分、廃業も多い ・見通しが甘く、安易に独立開業してしまう ・ノウハウがなく差別化が難しい などの理由が考えられると思います。 誰もが始めやすい業種は、競争が激しくなりやすい傾向にあります。 しかし、激しい競争の中でも利益を上げ続けているお店、企業は存在します。 やり方さえ間違わなければ、しっかりと儲けることはできるのです。 「飲食業=儲からない」 のではなく、 「飲食業=失敗する人が多い」 のです。私がいままでに見てきた飲食業の儲けの方法は、大きく二つに分類されると思います。 1.規模を追求する 2.独自技術(料理・サービス)を磨き、手間暇をかけて付加価値を高めるこれは中堅・大手の飲食店経営の企業がとっている方法ですが、いくつかの成功例をもとに店舗を出店していき、全体の利益を大きくしていく方法です。 自分ひとりでは生み出せる利益の金額に限界があるため、人を使って稼ぐ金額を大きくしていく、ということです。 この方法だとチェーン店をイメージするかもしれませんが、最近では店舗のブランド名を複数持って、チェーン店だと思わせないような店舗も増えています。 料理やサービスの品質もかなり高いお店も多いです。 これは、売上高をできるだけ高めていき、儲けを稼ぐ方法です。この方法は小規模の飲食店が多いです。 いままで修行してきた技術を使って、自分の目の届く範囲で、手間暇をかけた料理・サービスを提供して、他店と差別化するという方法です。 爆発的な儲けを期待することは難しいかもしれませんが、常連さんがつけば、安定した儲けが期待できます。 料理や接客が好きで働いている、という人はこの方法が合っていると思います。 これは、利益率をできるだけ高めていき、儲けを稼ぐ方法です。どちらの方法をとるにしても、儲けるためには事前の計画と運営の仕組み作りが重要です。 甘い見通しのままスタートしたり、安定した品質の商品・サービスを提供する仕組みがないままスタートするところに問題があります。 自分がやりたいことを実現しながら、儲けるための計画と仕組みを作る、という点は、独立開業の前に時間をかけて準備をする必要があると思います。