2021.12.13 開業支援
飲食店の開業は個人事業主と法人(会社)のどちらがよい?
ホームページのよくある質問にも記載していますが、飲食店の開業の場合、個人事業主としての開業をおすすめしております。
今回はその内容を詳しくご説明していきます。
個人事業主と法人では何が違うのか?
個人事業主の場合は、オーナーとなる人物の名前で開業の届出を出し、そのオーナーの売上として申告をします。
法人の場合は、会社を作り、その会社の名前で開業の届出を出し、その会社の売上として申告をします。
例えば、私が「寿司処みやじま」というお寿司屋さんを開業する場合、
・個人事業主の場合 → 宮嶋力という個人名で開業手続き
・法人の場合 → 株式会社みやじまという会社名で開業手続き
を行います。
(法人の場合の会社名は任意で決めることができます)
運営の実態は同じでも、運営主体が個人事業主か法人かによって、様々な取扱いに違いが出てくるのです。
具体的にどのような取扱いの違いがあるのか?
いろいろな違いがあります。
ざっと挙げると、
・開業手続き、時間、費用
・運営管理の手間、費用
・かかる税金の種類、税率、決算期
・社会保険(健康保険、年金)の加入の義務
・組織としての信頼(社内、社外ともに)
・共同経営者がいる場合の取扱い
・節税方法、将来の退職金や事業承継の準備
などなど。
これらの要素を複合的に考慮して、個人事業主として経営するか、法人として経営するかを判断していきます。
上記に記載した取扱いの違いの詳細は下記の記事でご説明します。
一般的には個人事業主 → 法人への「法人成り」が多い
これは飲食店に限らずどの業種でもそうなのですが、一般的には個人事業主として開業し、売上や組織の規模が大きくなるにつれて法人に変更する、というケースが多いです。
いわゆる「法人成り」というものです。
法人成りの検討は開業から数年後に検討していくものですが、業種によっては最初から法人で起業した方がいいケースもあります。
(主に企業間取引がメインとなる業種で、会社としての信用が必要なケースが多いです)
飲食店の場合、
・お店の売上を伸ばしていくためには会社の名前が必要ないこと
・開業の初期費用が多くかかる業種であること
・売上が軌道に乗るまで(利益が多く出るまで)時間がかかること
などを総合的に考慮して、個人事業主でのスタートをおススメしています。
個人的な感想ですが、法人成りを検討できるくらいまで売上や人的規模、納税額が大きくなれば、ひとつの山を越えたと言えるかもしれません。