2019.09.09 よもやま話
増えている人気店「本格的な料理を、日常使いのできるお値段で」
料理の価格帯をどのラインに定めるかは、お店の方向性を決める上でとても重要です。
どのような人をターゲットにして、競合店と差別化するためにどのような料理を、どのくらいの価格で提供するか、お店の開店時にある程度決めておかなければなりません。
今回は近年増えてきている人気店の方向性のお話です。
安売りではない親しみやすさがあるお店
タイトルの通り、本格的な技術を持つ料理人が、日常使いのできる価格帯を主体としたメニューを取り揃えるお店が増えてきています。
日本料理で言う割烹と居酒屋の中間のようなイメージのお店でしょうか。
重要なポイントとして、素材で差をつけるのではなく、技術や調理法で差をつけるということです。
同じ価格帯のお店では提供することが難しいような手間暇をかけることで利益率を高め、差別化を図るという戦略です。
「リーズナブルな価格で提供するので儲からないのでは?」
と思うかもしれませんが、技術で付加価値を高めることで、粗利をある程度高く設定することができます。
なおかつお酒を飲んでもらうようなメニューや接客の工夫があると、さらにいいですね。
メニュー単価が高くないと、客側の心理として追加注文がしやすくなることもプラスに働きます。
価格帯は高くない方が売上は軌道に乗りやすい傾向
日常使いのできる価格帯に設定する大きなメリットは、売上が高単価のお店に比べて軌道に乗りやすいことです。
特に札幌のような地方都市ではその傾向が強くなります。
ターゲットとしたい顧客層の幅がある程度広くなるので、常連になってくれる顧客を捕まえやすくなります。
継続的な顧客からの支持、売上の安定がお店を長く続けていくうえでとても重要になるので、このメリットは大きなものであると言えます。
とは言え、一番大事なのは自分が作りたい料理を作ること
「日常使いのできる価格帯のお店」について話をしましたが、お店の方向性を決めるうえで一番大事なのは、
「自分の作りたい料理をどのように作るか」
を最優先にすることです。
商売や利益のことを最優先してしまうと、自分のやりたいこととズレが生じ、自分の強みの発揮やモチベーションの面で上手くいかなくなることがあります。
自分のやりたい料理、具体的な顧客がイメージできていれば、価格は後からついてくるものだと思いますので、まずは経営の根幹となる
「自分の作りたい料理」
をしっかりと固めることが必要です。