2019.06.10 決算・節税対策
飲食店のための節税対策 設備投資編 その3
設備投資編 その3です。
今回は手間と時間とお金はかかりますが、効果の大きい方法です。
中小企業経営強化税制による即時償却または税額控除
青色申告書を提出する中小企業者等が、指定期間内に、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき、一定の設備を新規取得して事業の用に供した場合には、即時償却または10%の税額控除を適用できます。
・・・なんのこっちゃわからないと思いますが。。。
端的に言えば、
・一定の要件を満たせば
・取得した設備について、通常は減価償却費として数年かけて経費にするところ
・一発ですべて経費にすることができる
という制度です。
(即時償却を選択した場合)
これはかなり強力な制度なんです。
ただし、効果が大きい分、対象となる設備が限られており、その手続きもやや煩雑になっています。
では、飲食店の場合には、どのようなケースのときに効果が大きいでしょうか。
2店舗目以上を出店するとき or 大がかりな設備の入れ替えをするとき
この制度の効果を最大限に得るためには、ある程度の利益が出ている、または将来的に利益が出る予定、という必要があります。
つまり、利益が出て、税金を払う状況でなければ、手間と時間とお金に見合う効果を得ることができません。
そのため、新規開業時ではなく、すでに店舗を運営し軌道に乗っている方向けの制度と言えます。
出店や設備投資を「計画」として認めてもらう必要がある
この制度の適用を受けるためには、「経営力向上計画」という計画の認定を受ける必要があります。
(工業会からの証明書発行を受けないB類型の場合)
出店や設備投資が「経営力向上」のための出店・設備投資でなければならないわけです。
一般的な考えですが、投資をするからには、投資に見合ったリターンが必要です。
その投資とリターンを、一定のストーリーをもとに計画書に落とし込んで、経営力向上計画としての認定を受ける必要があります。
・どのようなことを目的として
・どのような設備を
・どのくらいの金額で
・どのくらいのリターンを目指すか
という計画書を、きちんとした根拠をもとに作成する必要があります。
この作業が結構大変です。
投資の規模が大きくなると、資料一式がファイル1冊分くらいの厚さにもなります。
しかもこれらの計画の認定は、原則として、設備を取得する前に行わなければなりません。
(例外として、一番最初の申請を設備の取得前にすればOK)
期間限定の制度 平成33年3月31日まで!
この制度は租税特別措置法に基づく期間限定の制度です。
黒字がたくさん出ている状況であれば、即時償却により、大きな効果を得ることができます。
効果が大きい制度のため、要件も厳しく、計画の認定まで時間も手間もかかります。
適用をお考えの方は、出店や設備投資を考えている時点で、早めにご相談ください。