2018.08.31 開業支援
独立開業を決めた直後、やっておきたい2つの分析 ①競合分析
自店のコンセプトや方向性を考えるにあたってやっておきたいことの1つに競合分析があります。
これは自店の対象とする顧客や料理・サービスをどの方向にもっていくか、他店との違いを明確にして「うちはこういったお店ですよ!」という位置づけを明確にするための分析です。
今回は具体的な競合分析のやり方について説明します。
ポジショニングマップを作成しよう!
「ポジショニングマップ」というと難しく聞こえるかもしれませんが、競合他店がどのような顧客を対象として、どのような料理・サービスを提供しているかを簡単な図に表したものです。
話をしてもピンとこないので、実際に見てみましょう。
これは、中華料理店を出店しようとした場合のポジショニングマップです。
図のように、まずはマップの基礎となる2軸を決定します。
今回は
・日常、非日常
・専門的メニュー、幅広いメニュー
という2軸をとっています。
この軸の決定が分析の肝となるのですが、どのような軸にすればよいかは最後に説明します。
この2軸の中に、現在、出店している他店を当てはめていきます。
競合他店を当てはめてみました。
対象とするエリア、顧客、料理など決めた2軸によってあがってくる競合は違うと思いますが、具体的な店名まで踏み込んだ分析にしてもよいでしょう。
このように他店を当てはめてマップを作成すると、対象とする顧客がいる市場(エリア)は、どういったお店が多くて、どこに空白があるか(競合が少ないか)ということを把握することができます。
この状況をヒントにして、自店の位置づけと他店との差別化を考えることができるのです。
自店の強みと組み合わせることで優位性を作る
今回のケースだと左下の星印がついている専門的メニューを中心とした、非日常的な料理・雰囲気のお店が少ないことがわかりました。
重要なのは、この位置づけの料理・サービスを提供できる自店の強み・技術があるかどうかです。
市場に空きがあり、需要がありそうだとわかりながらも、自店がそのような料理・サービスを提供できなければ何の意味もない分析になってしまいます。
このことからも、下記に記載するマップの2軸をどのような要素にするかを決める際、自店の強みを生かすことができる軸を設定する必要があることがわかります。
マップの2軸の決め方のポイント
最後にもっとも重要な、ポジショニングマップを作る際の2軸の決め方です。
これには一定のルールが必要です。
①2軸は相互関連性がないものを選ぶこと
例えば、「価格が高い・安い」「高級料理・家庭料理」という2軸にしてしまうと、それぞれが関連のある2軸のため、右上がりのマップが出来上がってしまいます(右上にいいものがきてしまいます)。
これでは他店の状況を1つの要素でしか分析できていないことになってしまいます。
②顧客がお店を利用しようとする決定要因を選ぶこと
顧客側がお店を選ぶ際のポイント、決定要因となる要素で2軸を決めなければ、お店の位置づけの違いや差別化が顧客にとってあまり重要ではないものになってしまいます。
③自店の強みとなる要素を考慮すること
非日常の料理を提供できる技術があるか、専門的なサービスを行う知識・経験があるか、自店の強みを踏まえた差別化の要素を2軸に含める必要があります。
以上が今回の競合分析なのですが、これとあわせて行いたいのが、自店の事業領域の分析です。
どのような顧客に、どのような料理・サービスを、どのような技術で提供するか、という自店のコンセプトを決める重要な分析です。
次回は自店の事業領域の分析について説明します。