2022.06.20 決算・節税対策
開業前に知っておこう!飲食店にかかる税金あれこれ
「税金」と耳にすると、難しいイメージが思い浮かびますが、飲食店を経営する立場になると避けては通れないものです。
それでは、飲食店を運営するにあたり、どのような税金がかかるのでしょうか?
1.利益に対して課される税金
これは非常にわかりやすい税金で、「いくら儲かったから、その儲かった分の何%を税金として納めてください」というものです。
個人事業主の場合
・所得税
・住民税
・事業税
法人の場合
・法人税
・住民税
・事業税
がかかります。
2.消費に対して課される税金
いわゆる消費税です。
この税金は、お客様から売上代金と一緒に預かった消費税を納めるものです。
例えば、消費税込み11,000円の売上があった場合、
・10,000円は純粋なお店の売上
・1,000円は国に納める消費税を預かったもの
という区分になります。
現実問題として、売上として一緒にもらうため、そういう認識に切り分けることは難しいのですが・・・
この消費税はちょっとした注意点があるので後述します。
3.所有資産に対して課される税金
この税金はイメージが難しいと思うのですが、資産を所有していることで課税される税金です。
代表的なものは土地や建物です。
「土地や建物を持つくらいのお金持ちじゃないから関係ないや」
と思うかもしれませんが、土地や建物以外にも、固定資産税は課税されます。
飲食店の場合、店舗設備に対して固定資産税(償却資産税)が課税される場合があります。
具体的には、店舗の内装工事や電気設備工事・給排水工事、厨房機器などに課税されます。
金額はそれほど大きくはないのですが、他の税金に比べると知名度は低く、こういった税金も課税されるのです。
税金以外に課されるもの
税金以外にも、従業員を雇用した場合の健康保険・年金・労働保険などの社会保険料がかかります。
「ずいぶん多くの税金が課されるなぁ・・・」という感想を持つかもしれません。
これらの税金は、儲けた以上に税金が課されることはないのですが、いざ支払うことになると非常に高く感じてしまうものです。
あらかじめこういった税金がかかる、ということは認識しておいた方がよいでしょう。
要注意なのは消費税!
さて、先ほど「消費税はあくまでもお客様から預かっている税金」と申し上げました。
預かっているもののため、国に納付しなければなりません。
ですが、お客様からお金を預かった段階で、その預かったお金を売上の一部として認識してしまい、納付する段階になって
「消費税が随分高いなぁ」と思われる方や、
「手元にお金が残っていない!」という方が多くいらっしゃいます。
消費税は赤字でも納付しばければならない場合が多いので、負担が非常に重く感じてしまう税金です。
預かったものは別にしておくこと
そこでおススメなのが、消費税の納税資金として、普段使用している通帳とは別の通帳にお金を積み立てておく方法です。
年間の消費税の納税予測の金額から必要資金を算出し、÷12か月分の金額を毎月積み立てをするのです。
そうしておくと「納付する段階になって資金が足りない!」ということにはならず、積み立てている口座以外の口座の金額が、純粋な事業のもうけを示す金額になります。
ちなみに、開業してから1~2年間は消費税を納めなくてもよい場合が多いので、どのタイミングから積み立てをした方がよいかはその年ごとに判断することになります。