2021.11.01 開業支援
シニア起業として飲食店を経営することの注意点
人生100年時代という言葉の通り、60歳または65歳で会社を定年となった後、働き方の選択肢も増えています。
同じ会社に嘱託社員として勤務する、あるいは今までの経験を活かして新しい会社へ転職する、あるいは起業する、などなど。
今回は飲食店をシニア起業する場合の注意点についてのお話です。
「好きこそものの上手なれ」を原点とする
飲食店を経営したい場合、まずはどのジャンルのお店を経営するかの判断が必要です。
飲食店での勤務経験がある方の場合、働きながら自分のやりたいお店のイメージやお店の売りとなる強みを認識することができます。
一方、別の分野の仕事から参入する場合、最初の段階では自分のやりたいお店のイメージや強みを持ち合わせていない場合が多いです。
その場合は「自分の好きな、こだわりの持てる分野のお店を開業する」ことを基本線に考えた方がよいでしょう。
お店の個性、独自性を出すためには、こだわりを磨くことが必要です。
そのこだわりは、好きなものである方がより追求することができます。
どの分野のお店であれば儲かるか、ということを考えるよりも「好きこそものの上手なれ」を意識した方が、長く続けられるお店になる可能性が高くなると言えます。
投資と運営コストをできるだけ抑えること
飲食店を経営するためには、ある程度の金額の初期投資と運営コストがかかります。
イメージとしては、
・しっかり稼ごうとするのであれば、場所・設備・人材により多くのお金をかける必要がある
・手堅く稼ごうとするのであれば、場所・設備・人材にかけるお金を控え目に抑える必要がある
という形でしょうか。
飲食店のみならず、どの事業でもそうかと思うのですが、
・ハイリスクであればハイリターン
・ローリスクであればローリターン
であると言えるかと思います。
シニア起業で目指したいのは、大きく損はしないローリスク型であると言えます。
退職金の多くを投入することや、銀行から多額(1000万円以上)の借入をすることはお勧めしておりません。
初期の投資費用(内装や設備工事、厨房機器など)をできるだけ抑え、家賃と人件費は自宅兼店舗で家族従業員のみで経営する、など長く続けられる方法を取る方が堅実です。
生活費がかかりにくくなってからの起業がお勧め
生活費、と言うと抽象的に聞こえるかもしれませんが、具体的には、
・住宅ローン
・教育費
この二つのことを指します。
・持ち家の住宅ローンを完済した(もしくは近年中に完済する見込み)
・お子さんが大学を卒業して就職した(もしくは近年中に卒業する見込み)
このような状況であれば起業するのはプラスです。
お店の運営にかかる投資・コストを抑えるという視点以外に、自分たちの生活費を確保できている環境があることが重要です。
飲食店の運営でお金を稼げるようになるためにはある程度の時間がかかります。
その間にかかる生活費をある程度確保できている環境の方が、よりリスクを抑えられると言えるでしょう。