2021.10.11 開業支援
店舗兼住宅のメリットとデメリット
開業には自宅の一部を飲食店にするいわゆる店舗兼住宅として開業する選択肢も考えられます。
通常の賃貸借の店舗より若干複雑な取扱いになりますが、メリットもたくさんあります。
今回は店舗兼住宅を選ぶメリットとデメリットについてのお話です。
通勤時間なし!効率よし!店舗兼住宅のメリット
店舗兼住宅のメリットはたくさんあります。
ザッと箇条書きにすると、
・通勤時間がなくすぐ働き始められ、すぐ帰ることができる
・家賃が借りるよりも割安になり、住宅ローンが終われば家賃がなくなる
(自分の所有財産になる)
・光熱費や通信費などの経費が自宅、店舗で一体利用でき効率がよい
(自宅と店舗を合理的に区分する必要はある)
・同居する家族のサポートを受けやすい
・自分の所有物なので工事や改装の制約がない
などなど、端的に言うと「便利で低コスト」という表現が近いでしょうか。
初期費用はかかりますが、時間が経って売上を軌道に乗せることができれば、一般的な賃貸借の店舗よりも有利になることが多いです。
ハードルが高い?店舗兼住宅のデメリット
一方でデメリットもあります。
こちらも箇条書きにすると、
・初期費用が多額になる
(土地建物の取得、内装工事一式、電気ガス工事などなど)
・人通りの多い繁華街に出店することが難しい
(繁華街には住宅用物件があまりない)
・仕事と生活を切り離すことが難しく、気持ちの切り替えが難しい
などがデメリットでしょうか。
特に資金面でのハードルは通常の店舗に比べて高くなります。
負担を軽減するためには、実家を改装して店舗兼住宅にする、古めの空き家を買い取って店舗兼住宅にする、などの選択肢も考えられます。
(ただし営業許可を取得できる地域かどうか、事前に確認する必要があります)
いつのタイミングで家を建てればよいか?
最後に店舗兼住宅を建てるタイミングのお話です。
開業時に家を建てて店舗兼住宅にする、というのは融資の審査の面から見てかなり難しいです。
事業経営の実績がないため、ただでさえ個人事業主には厳しい住宅ローンの審査にほぼ通りません。
ではどのタイミングで住宅を建てればよいでしょうか?
ふたつの方法があり、
・サラリーマンのうちに店舗兼住宅を見据えた住宅を建てる
・飲食店を数年経営して、安定した売上、利益を出せるようになってから住宅を建てる
という方法が一般的です。
理想は後者で、事業が軌道に乗ってお金も貯まった後に店舗兼住宅を建てる、という形がスムーズに進むケースが多いです。
住宅ローンを組む年齢の平均が30代後半から40代前半くらいと言われていますので、このくらいの年齢で店舗兼住宅を建てられるようにがんばる、という目標を持つのもいいかもしれません。