2021.10.04 よもやま話
不況でも耐えられる飲食店とはどのようなお店か?
自分の頑張りとは関係なく、外部的な要因による不況は数年に一度起こってしまうことがあります。
このような場合にどのようにすれば生き残っていくことができるでしょうか?
今回は不況に強いお店づくりについて考えてみます。
要素1 特定の顧客の売上に偏りすぎない
飲食店に限らずどのような事業でもそうですが、ある特定の顧客・顧客層への売上依存度が高すぎるとリスクが高くなってしまいます。
現在で言えば観光客需要を中心としているお店は壊滅的な打撃を受けてしまっています。
中心となるターゲット層は必要ですが、中心顧客以外にも、売上の下支えをしてくれる需要は取り込もうとした方がリスクは下がります。
例えば、
・昼の営業は観光客を中心とした営業をする一方、夜の営業を地元の顧客を中心と設定する
・観光客メインの店舗と地元客メインの店舗など店舗ごとにターゲット層を分ける
など、事業全体で偏りすぎない顧客をターゲットにするよう設定することでリスクを下げることができます。
要素2 固定費・借入金が少ない
売上が上がっても下がっても固定的にかかる経費を固定費と言います。
正社員の人件費やお店の賃料などが代表的なものです。
同様に借入金の返済も固定的に発生します。
売上が下がってしまったときでも同じように経費が同じようにかかり続けてしまうため、この固定費は低い方がリスクが少ないと言えます。
一方で、ある程度の客単価・客数をあげるお店を作ろうとするのであれば、いい場所・いい人材にお金をかけなければなりません。
初期費用も多くかかるため銀行からの借入金も増えます。
リスクとリターンの関係で、
・固定費が多いが売上を稼ぐお店はハイリスク、ハイリターン
・固定費は少ないが売上も多くないお店はローリスク、ローリターン
ということが多いです。
好況時は売上を稼ぐお店の方に利がありますが、不況になると固定費が少ないお店の方に利があるように感じます。
この辺は経営者がどのようなお店を経営したいかによって、また、どこまでリスクを取るかによって変わってくると言えるでしょう。
要素3 考えて行動する前向きな経営姿勢
現在のような不況時に、どうすれば売上を少しでも確保することができるか、考えて行動する前向きな姿勢は重要です。
・テイクアウト需要にどのように対応するか
・近隣の地域だけでもデリバリーするか
・従業員を休ませるための助成金を活用できないか
・資金繰りが厳しくなりそうなので追加融資を受けられないか
などなど考えることがたくさんあると思います。
どういったやり方や制度があるか、というところまでご自身で調べることができる方もいらっしゃいますし、顧問契約がある専門家へ訪ねることも一つの方法です。
商工会議所や銀行も相談に乗ってくれると思いますので、何か考えていることがあるときは、遠慮なく誰かに頼るということも有効な方法です。
誰かに相談することで、自分だけでは考えられないアイデアや知らなかった制度を知ることができたりするので、立場の異なる人に相談することは意外な効果を生むことがあるのでおススメです。