2021.06.07 開業支援
失敗しない飲食店を作るために考えておくべきこと
飲食店は廃業率の高い業種と言われています。
原因のひとつに、初期の設備投資がある程度多額になるため、想定通りの売上が上がらなかった場合、収支と資金が成り立たなくなってしまうことが挙げられるでしょう。
今回は、開業にあたってどのようなことを考えておくべきか、ということについてのお話です。
飲食店は簡単に環境を変えることができない
まず前提として、飲食店は一度スタートすると、簡単に環境を変えられないことを認識しておく必要があります。
開業後、オープン景気が終わったあと、売上が低迷したときによく聞かれる言葉が、
「お店の場所がもう少しよければ・・・」
というものです。
場所を決めた当初は「この場所なら勝負になる!」と思い、オープンさせたものの、当初の目論見がはずれるということがよくあります。
お店の場所を変えたくても簡単に変えられるものではありません。
開業後、半年から1年くらいの売上が低迷しているお店の方が、
「お店の場所を変えたいので追加の融資を受けられますか?」
という相談をされることがありますが、すでに失敗している方が融資を受けられる可能性はかなり低いでしょう。
立地がすべてではありませんが、簡単に後戻りできない状況となるため、慎重に、じっくり時間をかけて選ぶ必要があります。
立地・家賃だけではなく、人件費も変えられない
お店の場所が簡単に変えられないのと同様に、お店の広さや構造も変えることは難しくなります。
お店の広さや構造に紐づいてくるのが人件費です。
お店の構造上、広い店内であれば多くの接客人員を増やさなければならなくなりますし、厨房から客席が遠くなれば調理しながら接客することが難しくなります。
忙しくない状況でも最低限の人員を配置しなければオペレーションが成り立たなくなることもあります。
また、単価の高いお店では、調理や接客も質の高さを求められるため、人件費の高い人材が必要になります。
売上が安定しない時期には人件費負担が重くのしかかるため、開業当初からしばらくの間の資金計画が重要になるでしょう。
変えられるところは柔軟に変えること
一方でメニュー内容や価格、接客方法などは、ある程度柔軟に変えることができます。
開業前に想定していた客層や客数、客単価や好まれるメニューがズレることはよくあります。
上手に経営されている方は、顧客のニーズと自社の経営状況をうまく把握してメニュー内容や料理のポーション、価格などを細かく変更しています。
そういった試行錯誤は常に行いながら、時間をかけてお店の形を作り上げていく必要があることがわかります。
失敗しない飲食店を作るために必要なことのまとめとして、
・開業時のお店の物件選び、収支計画、資金計画はじっくりと慎重に
・開業後のお店の運営は顧客のニーズに合わせて柔軟に
ということが挙げられるでしょう。