2020.08.31 よもやま話
回復している飲食店、苦戦している飲食店
新型コロナウィルスの影響によって飲食店には厳しい状況が続いています。
その中で、テイクアウトやデリバリーといった需要以外にも、別の傾向が出てきているようです。
厳しい中でも立地別の特徴が出ている
一般社団法人日本フードサービス協会の2020年7月の市場動向調査によると、新型コロナウィルスの感染再拡大により、外食産業全体の売上回復にブレーキがかかり、厳しい状態が続いているとのことでした。
全体概況の中で特徴的だったのが、
「住宅地に近い郊外立地の店舗は比較的回復の一方、繁華街立地の店舗は苦戦が続いている」
という一文です。
上記の一文を見て、お客様の損益データを取り扱っている中で感じていたことが、全国的な傾向であるということがわかりました。
理由は複数あると思いますが
「人が多く集まるところに行きたくない(長く留まりたくない)」
ということが一番ではないかと思います。
また、夜のお店(接待を伴う飲食店)が感染拡大の起因になっている、という情報が出ていることも、そのようなお店がある繁華街を避ける理由として挙げられると思います。
人が引けるのが早い、滞在時間が短い
これは上記の調査結果ではないのですが、飲食店を経営しているお客様からよく聞かれる言葉です。
「街中に人の姿はそれなりに戻っていると思うが、いなくなるのが早い」
「お店に食べに来るお客さんも戻りつつあるが、滞在時間が短くなっている」
これも上記の調査結果の基となっている原因の一つと思われる、
「人がいる場所に長く留まりたくない」
ということがあるのだと思います。
「外食はしたいが人が多く集まる場所は避けて、短時間で家に戻りたい」
新型コロナウィルスの心配が完全になくなるまでは、この傾向は続くのではないかと思われます。
単価が高いお店が苦戦
これも一つの傾向として出ているようです。
新型コロナウィルスの影響によって給与やボーナスが減った、ということもあるでしょうが、法人需要が減少していることが響いていると思われます。
取引先との接待だけではなく、歓送迎会や自社の仲間内での飲み会もできない、またはやりにくい状況が続いています。
品数の多いコースやゆっくり食べる単価の高めのお店よりも、短い時間で切り上げることができる単価が高くないお店の方が、現在の需要にマッチしていると言えます。
これらの傾向を踏まえてお店としてどのような取り組みをすべきか、ある程度長期化は避けられない状況の中、我慢するだけではなく、実行する行動力が問われつつあると言えます。