2022.01.10 開業支援
飲食店を長く続けるために、開業時は「3つの負担」に注意する
開業時の収支計画を設計する際、店舗運営に係る「3つの負担」をどのように組み立てるか、という注意点があります。
これにより、飲食店の成功率は大きく変わってきます。
今回はこの「3つの負担」についてのお話です。
「3つの負担」とは①家賃、②人件費、③借入金
3つの負担とは、店舗運営をしていくにあたって重しとなる3つの経費のことです。
(厳密に言うと借入金は経費ではありませんが)
赤字が大きい、お金が足りなくなる、といった状況になってしまうのは、この3つの負担のすべて、または2つが重しになっていることが多いです。
この3つの負担をどうやって軽減できるか、ということを考えるのは、収支計画を作るうえで非常に重要です。
開業から1~2年の売上が不安定な時期は苦しくなりやすいため、特に考えておいた方がよいでしょう。
3つの負担が少ないお店=売上が下がっても耐えられる
売上計画を作るうえで一番難しいのは、売上の見積りです。
大半の方がいままで働いていたお店をベースに考えてしまうため、売上の金額(客数や客単価)をどうしても大きく見積りがちです。
売上の金額を大きく見積もってしまうと、固定費である家賃、人件費、借入金の返済をカバーできるように見えてしまいますが、売上の金額が小さくなったときに3つの負担が重しとなっているのがわかります。
売上の金額はシビアに見込むことと同時に、売上が小さくても回していける経費の構造を作っておくことが重要です。
具体的には、
①家賃 → 店舗物件は繁華街や中心部を避ける
②人件費 → 開店当初は自分と家族だけで働くようにして、売上が安定してから正社員・アルバイトを雇う
③借入金 → 自己資金をなるべく多く貯め、借入金の金額を減らす
など、3つの負担のうち、軽減できるものは軽減できるように準備をすることが必要です。
飲食店経営を長く続けられる仕組みづくりをする
飲食店は廃業率が高い、といった話をよく耳にしますが、廃業しているお店の大半は、開業時の収支設計に問題があるケースがほとんどです。
飲食店の場合、一度開業してしまうと、家賃や借入金は変更することができず、やり直しがしにくい状況になってしまいます。
やり直しがしにくい状況になってしまうからこそ、開業時の収支設計は重要で、より慎重に検討しなければなりません。
これから開業を検討されている方は、収支計画を作成する際は慎重な設計を心掛けるとともに、専門家の意見を聞くことをお勧めします。