2021.08.23 資金調達
飲食店の創業融資を成功させるポイント 売上計画の作成方法 その①
「事業を始めるにあたって売上計画を作ってください」
創業融資を受けるにあたってこれが前提となってきます。
計画なんて作ったことも見たこともないし、何から始めたらよいかわからない、という方向けに、飲食店を開業するための売上計画の作成方法を解説します。
創業融資を受けるつもりがない方も売上計画の作成は必須なので、是非ご参考ください。
日本政策金融公庫の書式をダウンロードしましょう
どのようなものを作ったらよいか、をイメージするために、作成する創業計画書をダウンロードして見てみましょう。
創業計画書は、日本政策金融公庫のホームページからダウンロードできます。
ここにある「創業計画書」をダウンロードします。
(Excelで作成しても、PDFで印刷して手書きでも、どちらでもOK)
これをすべて記入することがゴールです。
売上計画は「8 事業の見通し(月平均)」です。
ここにある項目を記入していきます。
具体的には、①売上高、②売上原価(食材仕入)、③人件費、④家賃、⑤支払利息、⑥その他、の6項目です。
項目が「その他」と省略されて作成されていますが、実際には水道光熱費や消耗品費、クレジット手数料、通信費などが発生するため、これらをまとめて「その他」へ記載する必要があります。
では、どのような手順で進めればよいでしょうか?
進め方は2種類 ①売上から作成する方法 ②利益から作成する方法
主な進め方は2種類あります。
①売上から作成する方法は、
客席数・客単価・回転率・営業日数をもとにして、項目の一番上にある売上高を計算し、その後に売上高に付随する各種経費を計算していく方法です。
(一番上から下に向かって計算していく方法)
②利益から作成する方法は、
借入金の返済や生活費などの必要な利益の金額を見積って、項目の一番下にある利益を計算し、その後に各種経費と売上高を計算していく方法です。
(一番下から上に向かって計算していく方法)
どちらの方法でも売上計画を作成することはできますが、それぞれメリットとデメリットがあります。
①の売上から計算する方法は、メニューや想定する客数から売上高を算出していくため、売上に合理性があるのがメリットです。
一方で最終的に残る利益は、売上と経費を使った「結果」にしかなりません。
つまり、売上状況によってどのくらい利益が残るか、ということを把握しにくくなります。
②の利益から計算する方法は、最終的に手元に残さなければいけない利益の金額がわかっているため、いくら売上をあげて、経費をいくらまでに抑えなくてはいけないか、ということが把握できます。
一方で売上の計算の根拠が、利益ありきの後付けになってしまうおそれがあります。
おススメは両方のやり方で計算すること
2種類の作成方法を紹介しましたが、おススメは2種類両方のやり方で売上計画を作成することです。
2種類両方の作成をおススメする理由は、
「いくら売上をあげることができそうか」
と
「いくら売上をあげなくてはいけないか」
という両方の視点から計画を作ることができるからです。
売上計画は創業融資のタイミングだけではなく、開業してからの業績管理にも重要な役割を果たします。
2種類の方法で作成すると手間はかかりますが、この手間は開業してからも活きるものなので、是非やってみてください。
次回は、具体的にどのような書類を、どのように作成していくか、について解説します。